エデュプレムジカ
音との出会い 世の中には素敵な音楽がいっぱい
「アクティブに秋を満喫」【Vol.3】
世の中には、ヒットチャートやミリオンセラーとは縁がなくても素敵な音楽がたくさんあります。「聞いたことがない」、「知らない」という少々高いハードルも、このコラムがお手伝いしますのでご心配なく。お気に入りの本を探すように、自分だけのとっておきを見つけて音楽のある日常を楽しみましょう。
さて、今回のテーマは「アクティブに秋を満喫」です。
10月といえば運動会シーズン。せっかくの秋晴れに家の中でじっとしているのはもったいないですよね。思わず外に飛び出したくなる、ウキウキ系の音楽を紹介します。
Samba-Nova/V.A
Bossa NovaじゃなくてSamba-Nova?「Nova」は英語の「New」にあたるポルトガル語。Samba-Novaは文字通り「新しいサンバ」のこと。日本では「サンバ=リオのカーニバル」というイメージが定着していますが、あの豪華絢爛で大がかりなカーニバル用のサンバは、コンテストに優勝するために一年がかりで用意された、いわばよそ行きの姿です。本来のサンバは、弦楽器と打楽器のアンサンブルと歌による、ごくシンプルなアコースティック・ミュージックで、ブラジル人にとってはとても日常的なものです。わざわざ楽器やステージを用意しなくても、テーブルや食器をパーカッションの代わりにして、手拍子を交えながら、たちまち歌の輪が広がります。
私たち日本人でさえもサンバに親近感を覚えるのは、人間にとってきわめて自然な「二足歩行」のリズムをベースにしているからだといわれています。シンプルだからこそ自由度が高く、ブラジル人ミュージシャンはサンバをキーワードに、じつに個性的な音楽を作り上げます。意外に思われるかもしれませんが、ボサノヴァだってサンバの一種なのです(ボサノヴァの神様と呼ばれるジョアン・ジルベルトも、自分はサンバ歌手であると公言しています)。
現在ブラジルでは、若い世代によるサンバへの原点回帰がかつてないほど盛んで、このコンピレーションではそのムーブメントの様子を垣間見ることができます。斬新なヒップホップ・サンバもあれば、ファンキーなサンバ・ソウルもあり、伝統的なサンバのスタイルを追求したものもあって、その多様性と大胆さには驚くばかりです。実験精神には小難しさが付き物ですが、ブラジル人は例外のようで、躍動感や軽快さが失われていないばかりか、サンバの生命線である「うたごごろ」がしっかりと継承されています。素晴らしいブラジル版「温故知新」です。
- ママのコメント
- サンバのイメージが変わった。ボサノヴァより好きだな。
外で子供と遊びたくなるね。
テキスト 木慶太
選曲家・DJ。USENの人気チャンネル「JAZZ STATION」、「usen for Cafe
Apres-midi」の選曲を手がける。DJとしてはブラジル音楽を中心とした選曲に定評があり、コンピレーションCDの共同監修やライナーノーツの執筆なども多数。